常染色体遺伝性劣性腎症
対象
遺伝形式
劣性遺伝(潜性遺伝)
概要
罹患犬は若齢時より腎臓の機能が低下します。個体によって症状の出方に幅はありますが、多くの場合、生後1年以内にタンパク尿などの初期の腎機能異常が見られます。その後、生後6ヶ月から2歳にかけて徐々に腎不全へと進行します。腎不全に陥ると喉の渇き、多尿、元気や食欲の低下、嘔吐といった臨床症状があらわれ、最終的には致死的な経過を辿ります。
予防と対策
腎臓への負担を軽減した食餌を与えるなど、対症療法を行うことで腎不全への進行をある程度遅らせることができます。しかし、腎臓の症状は非可逆的であり、本疾患に対する根本的な治療法はありません。
参考文献
Davidson AG et al.(2007) "Genetic cause of autosomal recessive hereditary nephropathy in the English Cocker Spaniel" J Vet Intern Med.21(3):394-401.
Nowend KL et al.(2012) "Characterization of the genetic basis for autosomal recessive hereditary nephropathy in the English Springer Spaniel" J Vet Intern Med.26(2):294-301.