ムコ多糖症
対象
遺伝形式
劣性遺伝(潜性遺伝)
概要
サンフィリッポ症候群とも呼ばれる遺伝性疾患です。罹患犬はグリコサミノグリカンの分解に必要な酵素が欠損し、脳、肝臓、腎臓などの全身臓器にグリコサミノグリカンが蓄積します。症状は神経症状が主です。3歳頃より後肢麻痺などの神経症状が始まり、1-2年かけて徐々に症状が進行し、最終的に運動失調をきたします。そのほか痙攣発作などが見られる場合があります。
予防と対策
本疾患に対する有効な治療法はありません。別犬種において、酵素補充療法の有効性を評価した研究がありますが、臨床現場における治療報告例はまだありません。
参考文献
Aronovich EL et al.(2000) "Canine heparan sulfate sulfamidase and the molecular pathology underlying Sanfilippo syndrome type A in Dachshunds." Genomics.15(1):80-84.
King B et al. (2017) "Slow, continuous enzyme replacement via spinal CSF in dogs with the paediatric-onset neurodegenerative disease, MPS IIIA." J Inherit Metab Dis.40(3):443-453.